「うちにはサンタさんが来ない」

 とある方(大人)が言っていました.
 「サンタに手柄はやらない」
 「プレゼントは私が仕事をして稼いだお金で買うんだ」
 「感謝されるべきは私だ」

 それはそれでいいと思います.
 あなたの家にサンタさんは来なくても,あなたが子供のために仕事をしてプレゼントを買って,その子の成長のために親としての責任を果たしているのであれば.
 それに対して,これが子どもの口から出たものであれば,胸が痛くなります.

 先日の朝刊に,とある小説の中で,教師が声をかけた生徒の発した台詞としてこれが紹介されていました.
 クリスマスを祝うか祝わないか,祝わないとしても,サンタが本当にいるのかいないのかを子どもなりに考えたり,サンタが来るまで寝ないで頑張ったり,友達から「お前まだサンタ信じているのかよ」と少しだけ馬鹿にされたり,全ての子供がそんな経験をできる家庭であり,社会であってほしいと願わずにいられません.

 特定の政党の話はあまり好んでする方ではありませんが,自民党そのものは嫌いではありません.ただ,谷垣さんが総裁になった時,彼を総理大臣にしなかったことで自民党(あるいは政治全体)には嫌気がさしました.
 そして,谷垣さんをさしおいて総理大臣となった(故)安倍さんについては,その価値観が合わないため,私は彼が嫌いでしたし,今でも嫌いです.

 ただ,彼が総理大臣になった時の,いつかの年末.確かに,世の中が少しだけその将来を期待して,誰もが,その時はこれまでの年末よりも暖かくして過ごせそうな雰囲気になったことがあったように記憶しています(私がそう感じただけかもしれません.).

 公務員の頃と違い,弁護士になってから毎年この時期になると,無事に年が越せることのありがたさを身をもって感じるようになるとともに,全ての人が,空腹を耐え寒さに震えることなく,温かい年の瀬を過ごせることを願ってやみません.