「日本人」とは,何をもって日本人というのでしょうか?
国籍法では,第1条が「日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。」と規定し,出生の時に両親のいずれかが日本人である場合や,外国人の帰化が認められた場合などに日本国籍を取得するとされています。
ところで,NHKのHPに次のような記載があります。
「ノーベル賞 これまでに受賞した日本人は米国籍取得者含め28人」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize/2023/feature/article_06.html
ノーベル賞の受賞時に日本国籍を有していたかどうかまでは明記されていませんが,国籍法の要件では日本人に該当しない方について,ここでは「日本人」と呼んでいます。
他方で,肌の色,髪の色,目の色などにより,国籍法の日本人の要件を満たしながらも,見た目を理由に,直ちに同じ日本人と認識してもらえない,あるいは,あなたが日本人として認識しないことがこれまでになかったでしょうか?
反対に,世界的に有名なスポーツ選手で,日本人として認識され,そのパフォーマンスを理由に(肌の色,髪の色,目の色などに関わらず)多くの賞賛を得ている方々がいますが,そのような我々の反応について何か感じることはないでしょうか?
私自身,今では,「日本人」という要件により日本人とそれ以外の人とを区別することにどれだけの意味があるのか(もちろん,絶対的にどのような場面であっても不要とまではいいません。),そのようなことを考えるに至っています。
しかし,幼少の頃からある程度の思慮分別がつくようになる頃まで,「日本人」という言葉から,とある典型的な特徴だけが想起され,そして,それとは異なる外形的な特徴を有する人を指して「日本人」という時に何か違和感を感じたことがあったはずです。
自分自身の有する価値観に対して,無自覚にもそれを疑うことなく,また,それを批判することなく生きてきた時間が,あまりにも長かったと今更ながら思うところです。
これ以上のことはここでは多くは述べませんが,私と同世代の方であれば,The Yellow Monkeyの「JAM」という曲を聞いたことがある方は少なくないと思います。その歌詞を今一度思い出していただき,以上のことについて,少しでも共感していただけると幸いです。