どうしたら良いでしょうか?
そんな方法があれば,警察庁がとっくに採用しているはずです.
しかし,確実に件数がゼロとなる方法があります.
それは,「交通事故」の定義を変えることです.
一般的には,交通事故とは,自動車による事故と捉えられていますが,これを明日からでも「飛行機と船舶との間で生じた事故」を交通事故と定義しなおせば,日本ではほぼゼロになるでしょう.
ふざけてはいますが,これは,私の司法修習の同期が言っていたことです.
ところで,「凄腕女性弁護士」との記載とともに「性暴力はない」という趣旨の見出しが,新聞の下の方にある週刊誌の広告の中に記載されていました.とあるテレビ局の社員を被害者とするタレントの行為に関してのものです.
実際,何があったのか,私は真実を知るものではありませんが,各種報道から推測して,おそらく性交渉はあったんだろうと思われます.
しかし「同意があった」と言わないところに,弁護士的な発想が垣間見えて,あまり気分が良くないと感じたものです.
つまり,「性暴力」の定義をどのようにするかにより,事実(真実)として何があったかは別にして「性暴力はなかった」といえる,あるいは,そのような印象を出そうとしているのだろうと想像できるということです.
私自身,仕事では,依頼者との関係上,積極的に嘘はつかないが,相手のいう事実関係を認めることはせずに,それと異なった事実があったかのような主張をすることはよくありますし,されることもあります.
それが功を奏して,裁判所が認定できる事実の範囲が変わってくることがあるのは実際のところですし,そうならないこともあります.
そのタレントさんが,自身の名誉を守るために「性暴力はなかった」というのであれば,私としては何も気に留めずにスルーしたと思いますが,「弁護士」との記載とともにされると,ちょっと,考えてしまいます.
繰り返しますが,私自身,真実は知りませんので,それ以上のことは言えません.
しかし,彼から依頼を受けた「弁護士」がどのような思考回路を有するかということを理解できる以上,「同意があった」と言わないことから,その背景に潜む事実を想像してしまい,やはり,複雑な心境にならざるを得ません.