死刑について

 端的に言いますと,死刑には反対の立場です.廃止すべきだと思っています.

 内閣府が行った調査では,回答があったうちの8割以上の方が死刑制度が存在するのは仕方ないと考えているようです.

 ところで,私が中学生の頃,同級生と喧嘩になりお互いに殴ったり殴られたりしたときのことです.
 担任の教師から,何で喧嘩になったのかを尋ねられ,それを説明した際に言われたことは「正義の暴力はない」ということでした.

 しかし,その言葉の後にその教師のとった行動はどうだったかというと,私の頭を平手で叩いたというものです.
 その瞬間,私の頭の上に「?」マークがぐるぐる回っていたのは説明するまでもありません「言うこととやることが違うやん」という率直な疑問です.

 死刑制度もこれと同じで,人の命を奪ってはならないという社会的な共通認識がある以上,それについて,国家であればこれを行って良いということにはならないはずです.特に,「国」という権力者は,国民からその権限を負託された立場でしかない以上,それを超えることはできないはずです.

 私としては,違法行為(他者への加害行為)をする者については,同じ社会を形成する構成員として,社会内で生活させることはできないと考えています.
 だから,その目的のため,刑罰が科されて社会から隔離されるものだと考えています(もちろん,罰金刑があることからすれば,刑罰には懲罰的な意味もあるでしょうし,この点については異論はあるとと思います.).

 そうである以上,命を奪うという行為それ自体に刑罰としての意味を与える必要はなく,当然ながら,国家によりこれを行わせてはならないというのが私の考えです.

 ところで,大人になり,ある方から言われたことがあります.
 「中学校は,ダメな大人(教師)といかにうまく付き合うかを学ぶ場所だ」
 とのことでした.
 担任から叩かれた時に頭の上をぐるぐる回っていた「?」はこれで解消されましたが,現在の死刑制度については,国民の現在の意識からは,私の願う方向では,なかなか解消しないように思ったところです.