苦手で嫌いなバスケット

中学と高校のところでも少し触れましたが,小学校5年生の1月頃から,大学の最終学年まで各学校のバスケ部に所属してバスケットボールを続けました.
 大学を卒業し,就職してからも地域にあるクラブチームなどを探しては練習等に参加させてもらい,最終的には弁護士となって間もない頃(30半ば頃)まで続けました.今は,全くやっていません.

⚫︎要するに「向いていない」

 高校生の頃のこととして触れましたが,全く上達しなかったというのが正直なところです.そのようなこともあり,バスケそのものもそうですが,上達しない自分に対する嫌気を感じることもありましたが,そこまで続けたことで,上達しなかった理由がなんとなくわかるようになりました.
 要するに「向いてなかった」ということです.
 そのような意味では,バスケットは,私にとって「苦手で大嫌いな」ものです.

 ただ,バスケットを続けたことで良いことがあったのも事実です.
 良かったことの1つは,大学という学生が主体的にチームを運営しなければならないという状況で,その当時の同期や後輩たちと一緒に「バスケ部」を運営することができたことです.
 もう1つは,全く上達しなかったといっても,自分なりに納得してプレイできる程度まで上達した時期があり,その時期はバスケットを楽しむことができたことです.

⚫︎大学での部活

 一つ目ですが,大学生の頃の部活は,高校生の頃までのように指導をする先生がいて,先生の指示に従い練習を行うというものではなく,卒業生(多くは,修士に進学した先輩)がコーチとしているのはいましたが,いずれにしても,学生が主体となって練習等を行うものでした.
 大学でも,ほとんど上達しなかったのはその通りですが,同期や先輩後輩を含めて,色々なことを学ばせてもらったというのが率直な感想です.
 特に,高校生の頃は,キツイ練習をしても上達しない感覚が強かったこともあり,部活の練習は,顧問の指導を「こなす」という感覚が強くありました.それに対して,大学では,チームでどう勝つか,そのためにどのように部活に関わるべきかということを考えるようになりました.
 中学高校と違い,大学生にもなれば,技術面で1年2年長くバスケをやっているというアドバンテージはほとんどなく,後輩の方が能力が高いことも当然のこととして起こります.そうなると,チームにどう関わるかということが重要で,私個人のバスケの技術が向上するかどうかは二の次となります.そのおかげで,バスケットを続けながらも,上達しないことへの苦悩から少しだけ解放されることができました.
 また,何より,特に,同期(後輩もですが)からは,高校生だった頃には意識することもなかったことを,いろいろと教えてもらえたことは大変感謝しています.また,高校生の頃は,同期でありながらも「下手クソには人権はない」といってしまっても良いほどの事実上の上下関係がそこにはありましたが,大学では,特に同期が,フェアな立場で接してくれたことは,言葉にして言ったことはありませんが,今でも感謝しています.
 そのような時間を過ごせたことは,バスケットを続けたことで経験できた良いことの一つです.

⚫︎クラブチーム

 もう一つですが,社会人となり,26歳の頃からの数年間ですが,おそらく,自分の人生の中で最もバスケットの技術が上達した時期を過ごせたことです.
 大学を卒業して就職してからも,地域(福井)のクラブチームに所属させてもらいバスケを続けましたが,大学まで続けた割に上達しなかった自分の技術では,やはり,クラブチームでバスケを続けたところで,「うまく行かない」という感覚を強く感じる時期が続きました.
 そんな中,26歳となった年に,一念発起し,ジムに通って体づくりをすることから始めたところ,自分自身でもこれまで感じることができなかったほどに,技術の向上を感じることができました.
 また,この時も,大学の頃に学んだことを実践したことが大きく関与したのは事実です.この時のチームには,インターハイ経験者やインカレ経験者も一緒にいてプレーしましたが,大学で学んだことを真面目に実践したことで,そのことを良く評価してもらえました.

 ちなみに,大学で学んだことは,極めてシンプルなことです.それは,誰よりもディフェンスを頑張り,マイボールになった時は,誰よりも先に走るということです.
 「これだけ?」と思われるかもしれませんが,本当にこれだけです(細かいことを言うと他にもありますが,これにつきます.).

⚫︎苦手で大嫌いなバスケット

 私の場合,大学での部活の中でそのシンプルなことの重要性をようやく理解し,社会人となり,やっとのことでこれを実践できたというものです.
 このことを理解し実践できるようになるまで,他の方よりも多くの時間を費やしてきたんだと思いますが,今となっては,「苦手で大嫌いな」バスケットを続けたことに何も後悔はありません.

 もう,ボールを触ることもバッシュを履くこともありませんが,大学の同期(後輩も)とクラブチームで一緒にバスケをしてくれたみんなに,改めて,感謝します.