先日,とある社労士の先生が,その顧問事業場の担当者を連れて,私の事務所にやってきました.相談内容は,退職した労働者から残業代(約260万円)の支払いを求められているとのことでした(もちろん,金額に争いはあります.)が,本日,その先生から
「金額も減らすことができ,納得のいく内容で和解できました」
と連絡がありました.
この件では,当事務所に来所された際には,私が事実関係を検討し,事件の見通しを説明した上で,依頼を受けた場合の費用等の説明もしました.その時点では,その先生もその事業場の担当者も,私に依頼をする意向でした.しかし,その先生が
「この件で,労働基準監督署からも呼び出しを受けていて,監督官からは『120万円は支払いが必要でしょうね』と言われているので,それだけで部長(注:事業場の担当者)はとてもストレスが溜まっています.」
と言ったので,私はその先生と事業場の担当者に対し
「あ〜,そんな状況なんですね.それなら先生がご対応されたらいいですよ.弁護士でなくとも大丈夫ですよ.私に依頼すると,この金額だと,ちょっと割高になるかもしれませんから」と言い,その社労士の先生に今後の対応方法をアドバイスし,相談料だけ支払ってもらい帰ってもらいました.そうしたところ,冒頭の吉報が届いたというものです.
長い間,社労士の先生方に対し,紛争解決の研修を行なっておりますが,残念ながら,受講された先生方から,目に見える成果をお聞きする機会があまりありません.そのような中で,私のアドバイスにより,社労士の先生の対応が良い結果につながったことと,今回の経験が,その先生の大きな自信となるであろうことを,とても嬉しく思ったところでした.