「責任」ある政治とは

 アメリカから攻撃を受けたイランは,主にアメリカ軍基地に向けてだったとは思いますが,周辺諸国を攻撃しました.
 しかし,それを受けた各国は,ミサイルを迎撃するなど,自衛の範囲で防衛を行うことを超えて,アメリカとともに戦争に参加することには至っていません.
 もし同じことが,沖縄をはじめとする日本国内のアメリカ軍基地に対して行われた時,政府は,どのような判断をするんでしょうか.

 この国の政府・政治家に,責任ある判断・決断ができるんでしょうか?

 高市さんは,食料品に対する消費税を1%とすることを表明しました.これについても,「責任ある積極財政」の一部なのかセットなのか,そんな位置付けにはなるんだと思います.
 しかし,それに代わる財源が見つかっていないことからすれば,消費税を1%にすることは政府・政治家として「責任」ある判断なのでしょうか?

 高市さんは,消費税減税が自民党の「公約」であったということを述べていますが,そもそも,消費税減税は,先の衆議院選挙で野党が公約として掲げたところ,争点を潰すために自民党もこれを公約に掲げたものだったと記憶しています.
 そうだとすると,この公約実現を求めて,有権者が自民党に投票したものと理解することはできません.なぜなら,政党を選ぶ際の基準という意味での「争点」ではなかったからです.
 しかも,先の衆議院選挙では,高市さんの人柄に人気が集中するとともに,SNS対策が功を奏して自民党が大勝しただけであって,この公約を理由に,自民党が多数の議席を獲得したものではありません.

 そのため,政府・自民党は,財源が見つからない以上,このまま公約を実施することのほうが無責任であることを国民に説明をして,公約違反について釈明をするとともに,低所得者への給付などの代替手段をとることの方が,自らを「国民政党」と名乗る政党としての責任ある判断ではないかと思います.

 上述した戦争に参加しなかった湾岸諸国の各国で,経済対策等を含め,どのような政治情勢にあるのかよくは知りません.
 しかし,自国の領土にミサイルを撃ち込まれながらも,戦争に加担しないという判断に至った根底には,政治家が,一時的な国民感情に対するポピュリズム的な判断をすることなく,客観的かつ長期的な視点で,決断をしたものだと理解できます.

 財源がないことをわかっていながらも消費税減税に突き進む今の政府には,客観的・長期的な視点は全くなく,全てにおいて「責任」ある政治判断が期待できないように思えます.
 今の政府では,将来,この湾岸諸国と同じような事態に直面した場合,威勢の良い言葉だけを言い放ち,議論もなく,あっさりと戦争への参加や核の保有を決めてしまいそうに思えてなりません.