「泣き言はいわない」

 今更ですが,今年の抱負は,これにしたいと思います.

 なんでこの言葉かというと,とあるアーティストが,昨年使った際に,とても重みのある言葉だと感じたからです.

 そのアーティストとは,とある4人組のバンドで,みな20代前半か25歳ぐらいです.
 そうしたところ,昨年の5月だったかと思いますが,リーダーが亡くなりました.享年25歳です.

 残された3人のメンバーは,事前に予定されていた野外音楽堂でのライブを中止することなく,3人だけでやり遂げました.その際に,ファンに向けて

 「泣きごとを言わない」

と伝え,ライブの実施を告知したものでした.

 とある著名な作家の作品に同名の小説(?)があるようで,そのことを知ってなのかどうかは知りませんが,彼らの置かれた状況であれば,彼らとしてのバンド活動を終わりにすることも可能だったと思いますし,そのための言い訳はいくらでもできたんだと思います.

 そうせずに,ファンに向けてこのように述べ,リーダーと一緒に,生前に製作した新曲も発表し,今でも活動を続けているはずです.

 元々は,彼らの存在は知っていましたが,全く関心はなく,曲を聴いたこともありませんでしたが,それ以来,彼らの曲を毎日のように聴くようになりました

 私が同じくらいの歳だった頃に比べて,今の社会は,今後どのようになるのか非常に不透明だと感じる中,その中で,これからの時代を生きていく彼らの決意に,敬意を評したいと思います.

 そして,この歳になり,彼らの倍近くの時間を生きてきた中で,いろんな場面で言い訳ばかりしてきましたが,彼らのことを見習って,少しでも良い1年を過ごせるようにしようと,今更ながら決意したところです.