ぼったくりバーに入ってしまったら

【お問い合わせ】

ぼったくりバーに入ってしまいました。今まさに,法外な額を請求されています。

【回答】

とりあえず,警察に駆け込みましょう。近くの交番で構いません。

請求された料金からして,それが本当に「ぼったくり」と言えるかどうかは別にして,それが詐欺等の犯罪行為に該当しなければ,本来的には,警察の出番ではありません。

しかし,法外な額を請求されている状況で,お店側もそのことが分かっているのであれば,あなたが警察に駆け込むことで,ある程度,お店側も譲歩することが見込まれます。

また,警察も,このようなケースを単なる民事上の争いだとは考えていないようですので,まずは,警察の力を借りるべきです。

もし仮に,一旦お金を払ってしまうと,後日,ぼったくりだということを理由にお金を取り戻すことは,極めて難しいと思われます。

なお,数年前の元旦の午前1時頃,お世話になっている方から私の携帯に電話がかかってきました。どうやら,空いているお店がなく,客引きに誘われるがままお店にはいったところ,法外な金額を請求されたとのことでした。3名で入店したとのことでしたので,とりあえず,交番へ行くようにアドバイスをしました。そうしたところ,警察官立ち合いのもと,交番の中で,ぼったくりバーの店員と私の知人との間で,飲食代金を確定するための和解が行われ,無事に解決したとのことでした。

何れにしても,怪しいお店には入らないということが一番だと思われます。

「お金を貸して」

【お問い合わせ事例】

知人から,お金を貸して欲しいといわれています。

【回答】

1,貸すべきではない

あなたが貸金業を営んでいるのでなければ,知人ということを理由に貸すことは避けるべきです。お金を必要とする理由はともかく,銀行で借りることを勧める,一緒に窓口まで行くなどすることが賢明だと思われます。

単に生活に困っているということであれば,市役所で生活保護の申請を行う,ハローワークに行き仕事を探すなど,アドバイスするべきです。

2,あげた方が良い

どうしてもなんとかしてあげたいと思うのであれば,貸すのではなく,可能な範囲で,お金をあげたほうが良いと思われます。「本当に返してくれるだろうか。」と疑心暗鬼になって知人・友人関係が破綻していくぐらいなら,その方が良いと思います。

あるいは,財布の中にあるお金を全て差し出して,それ以降の知人・友人関係を絶ってしまった方が良いかと思います。

3,貸すのであれば

一応は,返してもらえないことを覚悟すべきです。

借用書を作成することは,最低限行うべきです。可能であれば,保証人をつける,不動産を担保にいれるということも行うべきです。

さらに,現金で渡すのではなく,銀行口座に振り込んで貸す方が良いでしょう。理由は,返してもらえないときに,銀行の預金を差し押さえることが必要な場合があります。その時,預金がどこにあるのかを調べることは意外に大変です。また,振込であれば,お金を渡したことが記録に残ります。そのようなことから,銀行口座を確認できるよう,振込にしておく方が良いと思われます。

なお,私が弁護士を始めてから以降,個人間でのお金の貸し借りで,最終的にお金を返してもらったという方を見たことがありません。もちろん,返してもらえないから弁護士事務所に相談にくるのだと思いますが,とある依頼者は,お金を貸す時に,振込で貸したことから,たまたま,知人の預金口座を知っていました。そのため,裁判を起こし,判決が出た後に,預金口座を差し押さえて,約160万円を取り戻したことがありました。この事件は,引き続き,財産を探索して,返還を求めている最中です。

 

お金を貸す時は,本当に貸すべきか,貸すとすればどうすべきか,よく,ご検討ください。あらかじめご相談に来られた上で,判断されると良いかと思います。

問題のある従業員がいます

【お問い合わせ事例】

とある従業員の勤務態度に困っています。理由は,別の従業員に対してパワハラとも言える言動に及んぶため,パワハラを受けた従業員は,こらえきれずに泣き出してしまうこともあります。

そのため,法律事務所や社労士事務所でこの従業員さんのことを相談しても,「注意して指導しましょう。」と言われますが,かえって反抗的な態度を取られてしまい,手に負えません。また,「指導した記録を残しましょう。」とも言われますが,その日の指導した内容は,私の手帳に書き留めています。

すぐにでも解雇したいと思いますが,いかがでしょうか。

【回答】

すぐに解雇することは,一旦思いとどまるべきです。理由は,解雇するだけの理由があると言えるかどうか十分に検討する必要がありますし,必要があるとしても,そのことが明らかとなる資料を残しておく必要があるからです。

そのためにも,パワハラがあれば,指導して,その記録を残す必要があります。その際,タイトルはなんでもいいので,「指導書」を作成してパワハラを行った従業員に交付してください。

この時の指導書作成及びその取り扱いのポイントは以下のとおりです。パワハラだけではなく,業務中の問題行動があり,指導しなければならないことがある場合もこのような方法をとると良いと思われます。

(1)パワハラとして行われた事実を,5W1Hを意識して具体的に記載すること

(2)指導書の作成者と作成日付を記載すること

(3)パワハラを行った本人に交付して,上記(1)が事実であり間違いがないことを確認し,その旨および指導書受領のサインをもらうこと

(4)上記(3)で受領を拒んだ場合には,無理に受領を求めずに,そのことを付記すること(「受領しません」とのサインを求めることができればその方がベターです。)

(5)指導書の記載事項について,期限を定めて,改善(ないし反省)の報告を,書面でもらうこと

(6)指導書と本人からの改善報告の書面を,会社内の管理職ないし担当者で回覧し,回覧した記録を残すこと

以上のような指導の結果,それが改善されなければ解雇も検討しなければならないと思われますが,改善されれば,解雇の必要もなくなると思われますし,その方が,企業としての労務管理上のリスクは少なくなるはずです。