良い先生でありますように

 ここ最近,複数の相談者に共通したことがありました.
 それは,私の事務所を訪れるより前に,とある別の弁護士(仮に「A先生」といいます.)に相談したり(いわゆる「相見積もり」です.),あるいは,以前に事件処理を依頼をしたことがあったということでした.

 A先生とは,現在は仕事等での付き合いはない方ですが,私から見てとても仕事のできる方でしたので,相談者から「どの先生が良いか迷ってます」と言われ

 「その中なら,絶対にA先生を推します」
 「A先生にご依頼するなら(私に依頼されずとも)納得します」
 「私よりもはるかに優秀です」

 と,本来,自分を売り込むべきところ,何を血迷ったのか,そんな説明をしたところでした.

 ところで,先ほど,相談の電話をかけて来られた方,私が休日に事務所に出て仕事をしていたからというのは言い訳になりませんが,相談料や相談の予約について,機械的な説明をしてしまってすみませんでした.

 結局,「検討します」と言って予約せずに電話を切られた後,電話口で言っていた「不当解雇」という言葉が気になってしまい,裁判所に提出する書類を作成ていたのですが(この書類も不当解雇に関するもので,依頼者の切実さでいえば,電話を下さった方と同じような状況にあるはずです.),結果として仕事がはかどらず,こちらから電話をおかけした次第です.

 休日で,しかも,大型連休の初日で,社会全体が華やかな雰囲気の中で,それに溶け浸っていくこともできず,自分のこれからの生活がどうなるか不安を抱えながら,せっかく,インターネットを検索して私を見つけて電話をしてくれたであろうに,そのような配慮が足りず,機械的な対応をしてしまい,すみませんでした.

 先ほど私の事務所に電話した時よりも,やや張りのある声で,すでに,別の先生に相談の予約をしたとのことでしたので,正直,安堵しました.
 その先生がA先生であるかは知るよしもありませんが,良い方であることをお祈りいたします.

自らは戦地に行かないという確信

 日本が,武器の輸出について,これまで平和維持活動のような場合の5類型に限っていたものを撤廃しました.
 これにより抑止力が高まるだとか,日本の平和国家としての基本理念を堅持することに全く変わりはないだとか言っていますけど,無理がありますよね.
 一応,紛争中の国には輸出しないと言ってますが,例外的な規定があり,今後これがどのような場合を想定するか解釈の問題となり,あっさりと輸出されてしまうのではないかと思います.

 高市さんがトランプさんに対し,ホルムズ海峡に自衛隊を派遣しないと回答した時,当たり前のことを当たり前にやってのけたことで,私としては歓迎したところでしたが,裏では,本当は躊躇なく自衛隊の派遣を自分の中で決めていたところ,首相補佐官から全力で止められたというのがことの真相のようです.

 今回のことも,止めてあげる人はいなかったんでしょうか.
 連立与党としての維新の会も絡んでのことですが,外貨を稼いで経済に回すような考えもあるようですが,GDP比でいけば,どれほどになるんでしょうか.
 むしろ,戦後一才の戦争もしていないという日本の積み上げてきた価値が崩れ去ってしまうという,取り返しのない事態に至ったものと思っています.

 ところで,定期購読中の雑誌「選択」にこんなことが書いてありました.
 高市さんが,イスラエルに対して,アメリカとの戦争停止のために「私がイランに訪問する間は攻撃をやめて欲しい」と伝え,自ら,停戦交渉のためにイラン入りすれば,高市さんの評価が高まったのではないかということです.

 これができるのは,戦争を仕掛けた側のアメリカとの同盟国ではあっても,平和国家としての世界における日本としての立ち位置があるから可能となる発想であって,今後は,そのような発想もなかなか持てなくなりますね.
 「お前たちの作った武器で,子どもたちが殺された」
なんて言われた時には,返す言葉もないですよね.停戦なんか提案したところで,説得力はありませんよね.

 このような決定を安易にできたのは,高市さんや政治家に,自分が戦地に行くことがないという自信というか確信があるとともに,当然ながら,自らそのような危険な場所に行くつもりがないからではないかと,いつも思います.

 20年ほど前,まだ,霞が関で公務員をしていた頃のことです.とある雑誌の編集長がセミナーでこんなことを行っていました.

 「安倍さんが,拉致被害者の身代わりになって,北朝鮮に行くぐらいのことを申し出るべきだった」

 小泉さんが総理大臣だった頃,北朝鮮の拉致被害者の一部が,日本に一時帰国することとなりました.
 この時は,あくまでも「一時」という約束だったのが,当時の官房副長官だった(故)安倍元総理が,被害者を返すことに反対したことから,北朝鮮に返さなかったというものでした.

 そのセミナーの講師が言うには,北朝鮮は,自らの犯罪と言うべき行為について,その国のトップ(当時は金正日)が認め,「一時」と言う約束ではあるものの,実際に帰国させたのに,それを反故にするということは,日本で言えば,天皇との約束を外国が破るようなものだということでした.

 つまり,当時の安倍さんも,拉致被害問題の解決を高々と掲げながらも,自らの身を危険に晒すようなことまでの発想は,政治家として持っていなかったということだと思います.

 ですから,今回の高市さんや多数の政治家たちも,自らが危険に晒されることはないということが念頭にあっての,あるいは,そのようなことまで発想が及ばない中での,このような決定をしてしまったのではないかと思います.

 もし仮に,今回の決定よりも前に,高市さんが選択が書いていたように,停戦交渉のために「日本」という立場でイラン入りした際に,仮に攻撃や凶弾に倒れてしまったとすれば,おそらく,世界各国の反応も大きく,その後永遠に,平和の使者として語り継がれただろうと思います.
 しかし,今回の決定の後に,仮に同様のことが起こったとしても,ただの憎しみの連鎖としか評価されず,この時の決定が世界の日本に対する見方を変えた出来事として,悪い意味で,末永く語り継がれることになるように思います.

国民政党?

 自民党大会で,「国民政党」という言葉が用いられたと聞き,かなりの違和感を覚えました.

 新聞では,とある学者さんが,自民党のいう「国民政党」の意味について,彼ら自身は自らは保守だと名乗るものの,特定の政治的イデオロギーを有しない,政権を取りたい人たちが集まっている政党であると述べていました.
 そのため,国民政党としてあるために,その政策において国民の中に利害関係を生じさせない(経済的に不利益を被らない)ことが必要となるということも書かれていました.

 そのように聞けば,国民の誰もが損をしない,不利益にもならない将来が期待できるようにも思われますが,ここ最近の政治の動きを見ると,本当にそうなのかと思えてしまいます.

 具体的には,国家情報局を創設し,スパイ防止法を制定し,国旗毀損罪を制定するということは,どこかの国(の政党)と同じようなことを考えているとしか,思えてならないということです.

 とある国民が,「国民政党」と異なる意見を有する場合,そのような「人物」として情報が収集され,これが外国との関わりを少しでも有するように理解されてしまえばスパイとして扱われ社会から排除されかねないということです.

 行政にいた頃,ほんの少しですが,社会内の各種団体の情報収集を行う方々と接する機会がありましたが,結局は,政権に対する態度がどのようなものかということで区別されて認識されていました.
 国家情報局の集める情報は,おそらく,そのような観点で収集され集約されるはずですし,場合によっては,警察権及び司法権の行使に繋げ,犯罪者として社会から隔離することも容易に行えるはずです.

 さらに,国旗を毀損しなくとも,同毀損罪を制定することで,暗に,「国」への忠誠を誓わされているように思えないでしょうか.

 そして,政治的行為ではないと言い張っていますが,自衛隊員が制服で党大会に参加し,「国家」を歌ったということは,自衛隊も,自民党のための防衛力(軍隊)であるという認識を示したともいえそうです.
 つまり,場合によっては治安維持という名のもとで,自民党のために,国民に対して実力を行使するということもあり得るということです.
 ずいぶん以前のことですが,当時の防衛大臣が都議会議員選挙で自民党所属議員の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言したことが思い出されます.

 政党である以上,政権を取ることを目的とすること自体は否定しません.
 しかし,政権をとったその先において,他者(自分達と意見を異にする国民)が存在しないか,あるいは排除されるべきとの考えに基づき,自らを「国民政党」と名乗るのであれば,日本もいずれ,ロシアや中国のようになってしまうのだろうと思えてなりません.

光栄です

 弁護士になってから,「悪名は無名に勝る」と思って過ごしておりますし,私が悪く言われることは,依頼者の役に立っている証拠だと思っています.

 まだ,悪評が立つほど活躍できていないのは事実ですので,まだまだ「無名」のままではありますが,今日,相談のために事務所にお越しいただいた方に,今まで一度も言われたことのないことを言われました.

 「いくつかの弁護士事務所に相談に行ったが,楽しいと思えたのはここだけ」

 ???

 いやいや,弁護士事務所を楽しんでもらっては困ります.
 「医者,警察,坊主の世話になるな」と同じで,弁護士を必要としない人生を送ってください.

 もちろん,不幸にして何かお困りごとがあり,その解決のために当事務所を選んでくれるのであれば大変ありがたいことと感謝いたします.

 ただ,相談料として,5500円/30分 いただいておりますので,単なる相談というよりも,ちょっとしたセミナーを受講する感覚でご相談を楽しんでいただけたのであれば,非常に光栄です.

 被害について,相手方から十分な対応を受けられて,次回の相談をご予約されることなく,無事に解決することをお祈りしております.
 もちろん,そうならないときは,遠慮なくご相談ください.

「頑張れ」と思ったが,,,

 高市さんが退陣することも遠くないというとある雑誌の記事を目にした時,高市さんが訪米を終え,トランプさんとの対応も一応は卒なくこなしたことを踏まえ,「もうちょっと頑張ってほしいな」と思ったところですが,どうやら,私の想像したことが違っていた(真逆だった)ようでした.

 「頑張ってほしい」と思ったのは,高市さんの国論を二分するような課題にチャレンジする姿勢ではなく,外交の難しさ,日本の憲法を含めた法制度が具体的にどのように機能するかということを具体的に経験したことを通じて,現実的な政治の舵取りをしてくれるのではないかと期待したからです.

 実際,高市さんの模索した年度内の予算成立や,委員会で答弁に立たないという姿勢はいただけませんが,昨年のASEANでの振る舞いや韓国大統領との友好的な関係構築,さらには,トランプさんの圧力のもとで,ホルムズ海峡に自衛隊を派遣しないという判断とそれを伝えたことは,当然といえば当然かもしれませんが,「当然」をやってのけてくれることに,今後も期待して良いのかなと思ったからです.
 また,自衛隊派遣をしないという判断をしたことに伴い,国政に対するご自身の有する考え方も変わってくるのではないかという期待も含めてのことでした.

 ところが,その記事には,高市さんは,当初,要請に応じて自衛隊を派遣することで日本の存在感を示そうとしていたということが書かれていました.
 それを聞いた側近の方々が,なんとかその方針を変更させ,最終的には,とある閣僚の助言を得ながら,憲法9条を理由に,自衛隊を派遣しないという方針を伝え,アメリカ訪問を乗り切ったということが書かれていました.

 仮にそれが本当だとすれば,私の抱いた期待というのは,全くもって根拠がなかったということになってしまいます.
 政権内部,特に高市さんの思考の中で巡り巡った考えというのは,私が想像していたプロセスとは全く違ったものだったということです.

 そして,それが本当だとすれば,あの状況で,自衛隊を派遣することを少しでも肯定しえる感覚は,外交・防衛について,かなり危うすぎませんか?

 新聞のとある記事で,ナショナリズムとは主権を求めることであり,日本の場合,それは,現在の中国や韓国との在り方の中で探られることではなく,第一に,アメリカとの関係をどうするかということが重要だと書かれていました.
 その理由は,日本国内に軍を置いているのはアメリカだけだからです.要するに沖縄のことです.明らかに日本としての主権は制約されていますよね.

 夫婦別姓,皇室,憲法改正など,外国,特にアメリカからの圧力を受けない国内のことについて執念を燃やすのも良いですが,それよりも前に,国政を預かる立場として,外交・防衛について,特にアメリカとの関係についてどうすべきか,せっかくあれだけ数(議席)にゆとりがあるんですから,そちらの方に力を費やしてほしいなと思います.