日本が,武器の輸出について,これまで平和維持活動のような場合の5類型に限っていたものを撤廃しました.
これにより抑止力が高まるだとか,日本の平和国家としての基本理念を堅持することに全く変わりはないだとか言っていますけど,無理がありますよね.
一応,紛争中の国には輸出しないと言ってますが,例外的な規定があり,今後これがどのような場合を想定するか解釈の問題となり,あっさりと輸出されてしまうのではないかと思います.
高市さんがトランプさんに対し,ホルムズ海峡に自衛隊を派遣しないと回答した時,当たり前のことを当たり前にやってのけたことで,私としては歓迎したところでしたが,裏では,本当は躊躇なく自衛隊の派遣を自分の中で決めていたところ,首相補佐官から全力で止められたというのがことの真相のようです.
今回のことも,止めてあげる人はいなかったんでしょうか.
連立与党としての維新の会も絡んでのことですが,外貨を稼いで経済に回すような考えもあるようですが,GDP比でいけば,どれほどになるんでしょうか.
むしろ,戦後一才の戦争もしていないという日本の積み上げてきた価値が崩れ去ってしまうという,取り返しのない事態に至ったものと思っています.
ところで,定期購読中の雑誌「選択」にこんなことが書いてありました.
高市さんが,イスラエルに対して,アメリカとの戦争停止のために「私がイランに訪問する間は攻撃をやめて欲しい」と伝え,自ら,停戦交渉のためにイラン入りすれば,高市さんの評価が高まったのではないかということです.
これができるのは,戦争を仕掛けた側のアメリカとの同盟国ではあっても,平和国家としての世界における日本としての立ち位置があるから可能となる発想であって,今後は,そのような発想もなかなか持てなくなりますね.
「お前たちの作った武器で,子どもたちが殺された」
なんて言われた時には,返す言葉もないですよね.停戦なんか提案したところで,説得力はありませんよね.
このような決定を安易にできたのは,高市さんや政治家に,自分が戦地に行くことがないという自信というか確信があるとともに,当然ながら,自らそのような危険な場所に行くつもりがないからではないかと,いつも思います.
20年ほど前,まだ,霞が関で公務員をしていた頃のことです.とある雑誌の編集長がセミナーでこんなことを行っていました.
「安倍さんが,拉致被害者の身代わりになって,北朝鮮に行くぐらいのことを申し出るべきだった」
小泉さんが総理大臣だった頃,北朝鮮の拉致被害者の一部が,日本に一時帰国することとなりました.
この時は,あくまでも「一時」という約束だったのが,当時の官房副長官だった(故)安倍元総理が,被害者を返すことに反対したことから,北朝鮮に返さなかったというものでした.
そのセミナーの講師が言うには,北朝鮮は,自らの犯罪と言うべき行為について,その国のトップ(当時は金正日)が認め,「一時」と言う約束ではあるものの,実際に帰国させたのに,それを反故にするということは,日本で言えば,天皇との約束を外国が破るようなものだということでした.
つまり,当時の安倍さんも,拉致被害問題の解決を高々と掲げながらも,自らの身を危険に晒すようなことまでの発想は,政治家として持っていなかったということだと思います.
ですから,今回の高市さんや多数の政治家たちも,自らが危険に晒されることはないということが念頭にあっての,あるいは,そのようなことまで発想が及ばない中での,このような決定をしてしまったのではないかと思います.
もし仮に,今回の決定よりも前に,高市さんが選択が書いていたように,停戦交渉のために「日本」という立場でイラン入りした際に,仮に攻撃や凶弾に倒れてしまったとすれば,おそらく,世界各国の反応も大きく,その後永遠に,平和の使者として語り継がれただろうと思います.
しかし,今回の決定の後に,仮に同様のことが起こったとしても,ただの憎しみの連鎖としか評価されず,この時の決定が世界の日本に対する見方を変えた出来事として,悪い意味で,末永く語り継がれることになるように思います.